かなり昔に発売された本ですが、ディズニーマニアには必読の本ですよ!
どんな本なの?
書いた人:鶴蒔靖夫 (フリーライター)
さっくり内容:日本初(?)のオリエンタルランドの論評
本書は、フリーライターで評論家でもある『鶴蒔靖夫』氏によって書かれた本です。
ちなみに出版元のIN通信社は、著者が代表を務めているそうです。
経済関連を中心に数多くの本を出版しており、評価も高そうです。
帯の言葉を引用します。
日本人を燃やした華麗なる1年の軌跡!
オープンⅠ周年の”東京ディズニーランド”は、様々なマスコミ攻勢を受けながらも、驚異的人気で次々にレジャー業界の記録を塗り替えた。この秘密を探るために今、”東京ディズニーランド”を裸にした注目の書!
本の題名やイラストから、暴露本や批判本にも見えますが、内容は極めて真面目です。
オリエンタルランド関係者への取材を通し、当時のレジャー状況と比較、今後の戦略について語られています。
出版年が東京ディズニーランド開業1年後の1984年のため、パークの論評としては日本初かもしれません。
当時の東京ディズニーランドが、いかに”飛び抜けた存在”であったかがよくわかります。
隠れミッキーや待ち時間短縮などの裏技は書かれていませんが、当時のレジャー業界が詳細にわかる極めて貴重な資料です。
東京ディズニーランドを好きな方だけでなく、開業時の世間の反応を知りたい方にもオススメです。
どこで買ったの?
ぼくは、Amazonマーケットプレイスで購入しました。
タイミングよく中古の在庫があり、407円で買うことができました!!
Amazonしか取り扱いがないみたいですが、たまに値段の安い中古品が出品されていることもあります。
こまめにチェックして、在庫があるうちに買っちゃいましょう!
本の構成は?
下記のような6章から構成されており、229ページです。
文章が中心ですが、数値が分析してある表もあります。
- 東京ディズニーランド・そのスタートの成功
- 東京ディズニーランドの第2ラウンド
- レジャー産業・既設遊園地の現状と分析
- 日本人とレジャー産業
- 東京ディズニーランドの近未来戦略(Ⅰ)
- 東京ディズニーランドの近未来戦略(Ⅱ)
よみうりランド、常磐興産、後楽園スタジアム、富士急ハイランドと比較しているのが、印象的でした。
気になった内容は?
当時の反応
当時の各々の反応が興味深かったです。まずは、当時、レジャーに敏感だった報知新聞から。
「一遊園地の誕生が観光業界の形態まで変えてしまうとはちょっとした驚きである」(p,16)
そして、京成電鉄元社長の川崎千春氏はこのように語っています。水商売・・・
「五年間はテスト期間。ミニマムラインで採算がとれる方向でと考えているが、年間を通して入場者がどうなるのか、設備費はどうか、人件費はどうかなどはやってみなければわかりません。(中略)なんのかんの言っても水商売なんですかね」(p,26)
三井不動産元会長の江戸英雄氏はこう語っています。バクチ・・・
「やはり、ああいう場所(千葉県浦安市舞浜)ですからね。(中略)バクチと言ってはなんですが、それほど予測のつけがたい事業なわけです。しかし、いざフタを開けてみたら大盛況でしょう、これは行けるのではないかと、思っています」(p,27)
オリエンタルランド社長(当時)高橋政知氏はこう語っています。
「東京ディズニーランドの最初の1、2年は、皆、物珍しいからワーッと来るけどね、これをいかにうまく維持して行くか、それが大変ですよ」(p,30)
東京ディズニーランドは、当時でも極めて目立った存在だったんですね!
当時は警察に怒られるほど混んだ!?
オープン時の入場者数について、興味深い記述がありました。
4月のオープン時から5月にかけては、1日平均2万5千人ほどで、いささか不安の影があったが、6月には2万7千人、7月の入梅前には3万人、とじりじり増え、梅雨が明けると同時に爆発的に入場者数が連日して5万人、8月には1日に6万人以上のほとが押しかけ(p,30)
今でも6万人ぐらいで入場制限かかります。しかし、当時だとトゥーンタウンもクリッターカントリー、ウエスタンランドの一部もない状態です。激混みでしょうね。
もう1つ、収容能力を考えて、ピーク・イン・パーク(最大入場者数)を、現在の状況では、1日4万5千人までにしたいと思っている。
というのは、4万5千人以上、あるいは6万人もいれてしまうと、どうしても、各施設を楽しむための待ち時間が長くなってしまい、せっかくのお客に迷惑がかかるからだ(p,32)
6万人が入った日は、かなり苦労したみたいですね。こんなこともあったとか。
「あの8月の時は、大変でしたね。入場制限をしたは、車がワァーッと溢れちゃって。実は、この間も入場制限したんですよ。そうしたら、県警さん、お子ちゃって。『何たることだ!だいたい、予約を売り過ぎるからいけないんだ!』って。とにかく、迷惑をかけないようにしなきゃいけません。お客様にも警察にもね」(p,34)
と、警察に怒られたことを関係者は話してました。
舞浜駅がなかった時のアクセス
オープン当時、和食は無かった!?
パークオープン当時に起きた、日本人ならでは問題が非常に面白かったです。
客の大半は日本人だから、まず和食系統のものがないことに不満を言い、冬季を迎える頃になって「熱いうどんはないのか!」と言った声も一部に出た。
しかし、東京ディズニーランドは、ディズニーの国である。スパゲッティはあるにしても、うどんはない。(p,74)
ご存知かもしれませんが、当時、和食を扱う『れすとらん北斎』は無かったのです。
「寒い時は、それは暖かいものが欲しくなるのは、当然です」
そう考え、早速にも、ワールド・バザールの2階に、三百席ほどの和食の食堂を作ると言っている。(p,74)
『れすとらん北斎』はゲストの声からできた店舗だったんですね!この経緯はこの本にも書いてありましたね!
県警をも動かした、ディズニーランド!?
東京ディズニーランドがオープンした当時、パークが千葉県警にまで影響をしていたことはご存知ですか?もちろん、悪いことをしたわけではないです。
「東京ディズニーランドの交通対策」として、”月間交通”58年11月号に掲載されたものだが、執筆されたのは、千葉県警察本部交通部交通規制課の岩井清氏である。(p,77)
パークの混雑が警察を動かしたのですね。
内容的には、総理府、日本観光協会、各遊園地などの基礎データを資料として分析し、検討して、東京ディズニーランドの入場者を予測をし、かつ、その交通情報等を資料として作成した実に緻密な対策書であり、これが実行され、またされ続けているのである。(p,77)
パークにたくさんの人が訪れることもすごいが、県警がいち早く対策に乗り出していたことは、もっとすごいですね!
大便を漏らすほど、トイレが少なかった!?
12月13日付の朝日新聞の記事が紹介されていましたが、非常に興味深かったです。大宮市の31歳の主婦が、我慢できない点を投稿していました。
スペースマウンテンも、カリブの海賊も、乗りたさ見たさに子供も大人もじっと待つこと一時間余り。
(中略)
第一はお便所である。分かりにくく数少ない。この日も子供は二十分ち書く待っていたが、ついに耐え切れずに大便を漏らしてしまった。
第二は売場である。「押すと危険デース!」の売り子さんの声も、人びとにかき消され、数台しかないレジに押し寄せる客。この時も子供が倒れ、その上に人が・・・・・・。身の危険を感じ、子供に土産を断念させ引き揚げて来た。
いつか事故が起きる異常さばかりが目に付いた(p,212)
当時は戦場みたいな様子だったんですね。ですが、アトラクションは今の方が混んでいる!?
著者の先見の明
本書を読んでいて驚いた点は、著者の素晴らしい先見の明である。
各地への起点となる異常に、東京ディズニーランドを中心とした一大観光地がここに出現するとしたら、あるいは、かつてない壮大なパノラマ遊園地、いや、リゾートが、東京、千葉の名物になるのではないか。多分、東京ディズニーランドのある浦安は、ホテル群が建つことによって、もう一つ変貌し、素早しい街となると私は想像する。(p,186)
著者が本書を執筆した時は、周りのオフィシャルホテルの建設さえ始まっていませんでした。東京ディズニーリゾートとなり、イクスピアリを含めた街を予言していたんですね!
ぼくのオススメの買い方!
ぼくのオススメの買い方は「1,500円以上のお買い上げで送料無料!通販ショップの駿河屋」です!知る人ぞ知る中古品の通販サイトなのですが、駿河屋で扱っている商品は、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングでも検索できない場合が多いです。
ディズニー関連の本やCD、DVDもなぜか破格で出品されていることが多いです。
ぼくもお世話になっています!!
在庫は激しく変動するので、タイミングが合えば、破格に出会えるかもしれません。
まとめ
開演当時の東京ディズニーランドについて、他のレジャーと比較して論評した本でした。かなり早い段階から、パークの可能性に気づき、徹底取材と考察をしているのに驚きました。さらに、今後のオリエンタルランドの戦略にも言及し、現在実現しているものもありました。
他にも読んでみたので、ぜひ参考にしてください!
かなり昔に発売されていますが、たまに安く売っているみたいです。歴史としても残しておきたい本なので、ぜひチェックしましょう!
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