今回は『新ディズニーランドの空間科学 夢と魔法の王国のつくり方』を購入したので、読みたいと思います。
比較的最近発売された本ですが、ディズニーマニアには必読の本ですよ!
どんな本なの?
書いた人:山口 有次 (研究者、大学教授)
さっくり内容:パークの空間科学を”徹底的に研究”し、まとめる
本書は、早稲田大学大学院の博士課程を修了し、現在は大学教授を務める『山口 有次』氏によって書かれた本です。
彼は、レジャー施設やレジャー産業、レジャー行動の研究を専門としています。『レジャー白書』の執筆にも携わる、プロフェッショナルです。
主にディズニーランドの空間について、専門家の視点から解明・解説しています。現地での実測や過去の文献の引用が多く見られるため、非常に濃密で信憑性が高く論文に近い印象を受けました。
隠れミッキーや待ち時間短縮などの裏技は書かれていませんが、本気でディズニーランドと向き合っています。東京ディズニーランドを心から愛する人はもちろん、卒業論文や研究にもオススメな本です。
どこで買ったの?
ぼくは、楽天市場で購入しました。
数年前に手に入れたのですが、タイミングよく中古の在庫があり、1,800円で買うことができました!!
Amazonは、在庫が豊富なのでオススメです!楽天市場やYahooショッピングでも、たまに値段の安い中古品が出品されていることもあります。
こまめにチェックして、在庫があるうちに買っちゃいましょう!
本の構成は?
下記のような6章から構成されており、249ページです。
文章が中心ですが、図やグラフなどが豊富です。
- ディズニーランド”夢と魔法の王国”の空間計画
- デイズニーランドのバリアフリー
- ディズニーランドの国際比較
- ディズニーランドの色彩分析
- ディズニーランドの接客コミュニケーション
- ディズニーランドの成立要件
まるで研究論文のようですが、非常にわかりやすいです。
気になった内容は?
Go-Away-Greenとは
皆さんは「Go-Away-Green」をご存知だろうか?ぼくは知りませんでした。なんと、こんな技法があるといいます。
ゲストに見て欲くない物や建物をできるだけ目立たないようにする最も単純な方法は、緑色に塗装することである。(中略)この緑色の塗料をディズニーは「Go-Away-Green」と呼んでいる。(p,85)
なるほど!「Go-Away-Green」とは周りに馴染む緑色のことなんですね!
東京ディズニーランドのパーク内では、主にスピーカーなどの付帯設備に、この使用例が見られる。(p,85)
確かに、スピーカーは緑色のものが多いですもんね。迷彩柄と作用が似てそうですね!
ゴミ箱は8m間隔!?
パークに設置してあるゴミ箱(トラッシュカン)の説に関する興味深い研究もありました。
このトラッシュカンはほぼ8m間隔に置かれているという説がある。これ以上間隔が空くと、ゲストは手にしたゴミを持ち歩くのを苦痛に感じ、ゴミ箱以外に捨ててしまうからだという。(p,87)
そんな説もあったんですね!そこで、著者は実際にGoogle Earthで調べています。
その結果、2010年9月時点で屋外にトラッシュカンが203個あり、その平均距離は15.2m、100㎡当たり個数は0.53個であった。トラッシュカンの配置間隔は、近くは1mから遠くは45mまで広く分布しており、特定の距離に偏りは見られなった(p,87)
綿密な調査です。説の検証結果は、平均が15.2mだったんですね。それにしても、多くのトラッシュカンがあります。
世界のパークのお城比較
世界のディズニーランドのお城を比較している項目が、非常に興味深いです。
東京ディズニーランドのシンデレラ城が高さ51m、マジックキングダムはこれよろやや高い55〜58mといわれている。それに対して、眠れる森の美女の城の高さは23mほど(p,158)
ちなみに、上海ディズニーランドのお城は60mだそうですよ!香港ディズニーランドは、絶賛建て替え中です。
デザインについては、東京ディズニーランドとマジックキングダムのシンデレラ城は非常に類似している。また、香港は、アナハイムの眠れる森の美女の城をモチーフとしており、やはりデザインはよく似ている。しかし、フランスの眠れる森の美女の城は、他とはデザインが大きく異なる。(p,158)
お城で国際比較をするとは、面白いですね!この他にも、フランスのお城についても詳しく記載されています。
ホーンテッドマンションは世界で違う!?
東京ディズニーランドでも人気のアトラクション「ホーンテッドマンション」の国際比較も、非常に興味深かったです。
アナハイムはニューオーリンズスクエア、オーランドはリバティスクエア、日本はファンタジーランド、フランスはフロンティアランドにある。(p,172)
なんと、立地するテーマランドが全て異なるんですね。意図的かどうかかはわかりませんが、びっくりです!
建物は、アナハイムがアメリカ南部の大邸宅、オーランドと日本がイングランド王国・アイルランド王国のチューダー朝、フランスがヨーロッパのマナーハウス(中世のイギリス貴族の邸宅)のような外観(p,172)
なんと、デザインもほとんど違っているなんて・・・
館内で使用されるBGMの音程は、アメリカでは高いキーを、日本では低いキーを使っているという。お化けの恐怖心をあおる音程を、国民性にあわせて変化させている。(p,172)
なんと、BGMまで文化に合わせられているとは。さらに、バックグラウンドストーリーも違うみたいですよ!気になる方は一読を!
ディズニーランドを色で見る!?
『ディズニーランドの色彩分析』として、著者は2007年と2008年に現地調査を行っています。その結果が表になっていました。
ワールドバザールは、色合いが弱く明るさが強い、肌色系がベースカラーとなっている。アドベンチャーランドもこの傾向は同様であるが、青色の量が少なく、茶色系の土がベースカラーとなっている。(p,190)
かつてこのような研究をした人がいるだろうか。ちなみに調査方法は、建物を写真撮影し、そのデジタル画像からパソコン上で色彩データを抽出したそうな。
全体の結果が気になる方は、ぜひ本書をご覧ください。
ぼくのオススメの買い方!
ぼくのオススメの買い方は「1,500円以上のお買い上げで送料無料!通販ショップの駿河屋」です!知る人ぞ知る中古品の通販サイトなのですが、駿河屋で扱っている商品は、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングでも検索できない場合が多いです。
ディズニー関連の本やCD、DVDもなぜか破格で出品されていることが多いです。
ぼくもお世話になっています!!
在庫は激しく変動するので、タイミングが合えば、破格に出会えるかもしれません。
まとめ
東京ディズニーランドの空間科学について、徹底的に研究してまとめた本でした。大学教授らしい論文風の仕上がりとなっていますが、密度が濃く、信憑性の高いものに仕上がっています。プライベートで楽しむだけでなく、建築やデザイン、観光、文化の研究での参考になると思います。
他にも読んでみたので、ぜひ参考にしてください!
比較的最近発売されていますが、なかなか手に入れにくいです。一読する価値はあると思うので、ぜひチェックしましょう!
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