今回は『青べか物語』を購入したので、読んでみます。
直接的にディズニーと関係はありませんが、マニアには必見な本ですよ!
どんな本なの?
書いた人:山本周五郎 (浦安に住んだことある小説家)
ざっくり内容: パークができる前の『昭和の浦安』の様子が分かる
この本は、日本の小説家『山本周五郎』氏(1903-1967)によって書かれた時代小説です。
1964年に初版が発行されて以来、今も重版が続くロングセラー作品です。映画化もしてるみたいです。
新潮社のホームページによると、この作品はこう説明されていました。
うらぶれた漁師町に住み着いた私はボロ船「青べか」を買わされたー。自伝的小説の傑作!
ちなみに、「べか」とは小さな小舟を意味するみたいです。ざっくり言うとこれは『青い小さな舟の物語』ということでしょう!
小説に詳しくないのであまり語れませんが、この小説が東京ディズニーリゾートと関連しているため取り上げました。
なんと、小説の舞台が東京ディズニーランドができる前の浦安なのです!
本の中では『裏粕町』と表記されていますが、著者が浦安に滞在した経験をもとに、当時の浦安の光景が描かれています。
非常に興味深い内容なので、東京ディズニーリゾートが好きな方に是非読んでほしいです。
どこで買ったの?
ぼくは、駿河屋で購入しました。数年前に手に入れたのですが、タイミングよく中古の在庫があり、200円で買うことができました!!
Amazonは、在庫が豊富なのでオススメです!楽天市場やYahooショッピングでも、たまに値段の安い中古品が出品されていることもあります。
非常に手に入れやすいので、一度読んでみることをお勧めします!
本の構成は?
下記のような30あまりの短編から構成されており、347ページあります。
小説なので、文章だらけです。
- はじめに
- 「青べか」を買った話
- 蜜柑の木
- 水汲みばか
- 青べか馴らし
- 砂と柘榴
- 人はなんによって生くるのか
- 繁あね
- 土堤の春
- 土堤の夏
- 土堤の秋
- 土堤の冬
- 白い人たち
- ごったくや
- たいわ(砂について)
- もくしょう
- 経済原理
- 朝日屋騒動
- 貝盗人
- 狐火
- 芦の中の一夜
- 裏粕の宗五郎
- おらあ抵抗しなかった
- 長と猛獣映画
- SASE BAKA
- 家鴨(あひる)
- 毒をのむと苦しい
- 残酷な挿話
- けけち
- 留さんと女
- おわりに
- 三十年後
非常に読み応えのある作品です。
気になった内容は?
浦安の南にある「沖の百万坪」
小説の裏粕町の紹介で、舞浜に当たる表現を見つけました。当時は本当にそう呼んでいたのでしょうか?
町は孤立していた。北は田畑、東は海、西は根戸川、そして南には「沖の百万坪」と呼ばれる広大な荒地がひろがり、その先もまた海になっていた。交通は乗り合いバスと蒸気船とがあるが、多くは蒸気船を利用し、「通船」と呼ばれる二つの船会社が運行していて、片方の船は船躰を白く塗り、片方は青く塗ってあった。(p,9)
当時の浦安市は陸の孤島であったと言います。もちろん、JR京葉線も地下鉄東西線もないため、東京に行くためには船が主流だったといいます。
南にある舞浜は「沖の百万坪」と呼ばれていました。
「沖の百万坪」と呼ばれる空地が、この町の南側にひろがっていると書いた。私は目測する能力がないので、正確にはなんともいえないが、そこは慥かにその名にふさわしい広さをもっていた。(p,10,11)
ちなみに、百万坪は東京ドーム23個以上だそうです。広いですね!!
畑と幾らかの田もあるが、大部分は芦や雑草の繁った荒地と、沼や池や湿地などで占められ、そのあいだを根戸川から引いた用水堀が、「一つ入」から「四つ入」まで、荒地に縦横の水路を通じていた。(※入には氵つく)(p,11)
土地の様子は、自然が多かったようですね。
この水路や沼や池には、鮒、鯉、鮠、鯰などがよく繁殖するため、陸釣りを好む人たちの取って置きの場所のようであった。また、沼や池や芦の茂みの中には、獺ととか鼬などが棲んでいて、よく人をおどろかしたり、なにごとでもすぐに信ずるような、昔ふうの住民を「隙さえあればばかそうと思っている」ということであった。(p,11)
カワウソやイタチまで、住んでいたんですね!今の舞浜からしたら、なかなか想像できない光景だったようです。
舞浜から見た浦安
当時の舞浜から見た浦安全体の様子は、こんな感じだったようです。
百万坪から眺めると、裏粕町がどんなに小さく心ぼそげであるか、ということがよく分かる。それは荒れた平野の一部にひらべったく密集した、一かたまりの、廃滅しかかっている部落といった感じで、貝の缶詰工場の煙突からたち昇る煙と、石灰工場の建物ぜんたいを包んで、絶えず舞いあがっている雪白の煙のほかには、動くものも見えず物音も聞えず、そこに人が生活しているとは信じがたいように思えるくらいであった。(p,12)
今の浦安からすると想像できないですね!魚市場は最近なくなってしまいましたが、貝やのりのお店など当時の様子が今もかいま見えますね!
浦安にあった(?)石灰工場
小説なので定かではないが、石灰工場があったと言います。
遠くから見ると、その工場はいつも白い霧に包まれている。工場から立ちのぼる湯気のような、湯気よりも濃密な白い煙が、風の吹くは風の吹く方向へなびき、風のない日は立ちのぼったところから下へ、ゆっくりと舞いおりて来て、工場や付属の建物や、その周囲一帯の地面やくさむらや、道を隔てた根戸川の揚げ場までを、まっ白に塗りつぶすのであった。(p,111)
とりあえず、すごく白かったみたいである。
男女15人ほど働いてたと言いますが、特に労働環境についてが衝撃でした。
かれらの姿を初めて見た者は、おそらく一種のぶきみさにおそわれるだろう。かれらは男も女も裸で、細い下帯の他にはなにも身につけていない。また、頭はみなまる坊主に剃り、眉毛もないし、腋やその他の躰毛も全て剃りおとしているといわれる。それは石灰粉
が毛根に付くと、毛が固まるからだそうで、胸とか腰部を見なければ、男女の差は殆んどわからなかった。(p,113)
なかなか想像できないですが、そんな時代の浦安もあったのかもしれませんね。。。
浦安に汚物処理場!?
汚物処理工場ができるという、噂があったみたいですね!
沖の百万坪のはずれに、某起業家が汚物処理の大規模な工場を建てようとし、県への許可を申請したとか、すでに許可を取ったとかいう噂が広がった。
汚物といっても例の清掃関係のもので、その処理した後の廃棄物は根戸川から海へ放流するといわれ、それは小魚や貝類を死滅させるから、周辺の漁民ぜんたいの死活問題であると、かなり大騒ぎになった。(p,209)
そんなこんなあったみたいですが・・・
汚物処理場がどうなったか、私は覚えていない。(p,216)
ひょっとしたら、舞浜が汚物処理場になっていた・・・のかもしれないですね。
沖の百万坪の三十年後
最後の場面、三十年後に主人公は裏粕町に再度やってきます。そして、沖の百万坪についても書かれていました。
「いや、それよりも沖の百万坪へいってみたいんだ」と私は云った、「ずいぶん変わったようだが、まだ沼や荒地はあるだろうか」
「家がどっさり建っちゃったよ」と長が云った(p,319)
家が増えたみたいですね。そして、今のような舞浜になっていくんですかね?
ぼくのオススメの買い方!
ぼくのオススメの買い方は「1,500円以上のお買い上げで送料無料!通販ショップの駿河屋」です!知る人ぞ知る中古品の通販サイトなのですが、駿河屋で扱っている商品は、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングでも検索できない場合が多いです。
ディズニー関連の本やCD、DVDもなぜか破格で出品されていることが多いです。ぼくもお世話になっています!!
在庫は激しく変動するので、タイミングが合えば、破格に出会えるかもしれません。
まとめ
東京ディズニーランドができる前の浦安の様子を小説にした、非常に興味深い本でした。このような過去があって、今があると考えると感慨深いですね。
他にも読んでみたので、ぜひ参考にしてください!
詳しい内容を知りたい方は、是非買って読んでくださいな!
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