今回は『「魔法の国」のデザイン-東京ディズニーランドが拓く新時代』を購入したので、読んでみます。
ディズニーマニアには絶対に欠かせない本ですよ!
どんな本なの?
書いた人:長谷川芳郎(オリエンタルランド元建設本部長)
ざっくり内容:TDL建設の担当者が書き残した本
本書は、電通出身で、株式会社オリエンタルランドで東京ディズニーランド建設本部長を務めていた『長谷川芳郎』氏によって書かれました。
東京ディズニーランドの建設にあたり、初期的な段階から、工事の竣工、営業に至るまで関わっています。パークを築き上げた「ディズニー・レジェンド」の一人であると言っても過言ではないと思います。
東京ディズニーランドの建設に中心で関わっていたからこそ書ける内容が豊富で、極めて貴重な資料です。この類の書籍は、今までも、そしてこれからも無いと思います。
隠れミッキーや待ち時間短縮などの裏技は書かれていませんが、東京ディズニーランドを心から愛する人に、特に読んでもらいたい本です。
どこで買ったの?
ぼくは、Amazonマーケットプレイスで購入しました。数年前に手に入れたのですが、タイミングよく中古の在庫があり、500円で買うことができました!!
Amazonは、在庫が豊富なのでオススメです!楽天市場やYahooショッピングでも、たまに値段の安い中古品が出品されていることもあります。
値段が徐々に高騰しているので、手に入らなくなる前にゲットしましょう!手に入れられるうちに買うのがオススメです。
気になった内容は?
主に5つの項目から構成されています。
東京ディズニーランドのことだけでなく、海外のリゾートについても書かれていることが特徴です。
各項目で気になった点をピックアップしたいと思います!
新しい街づくりの発想
ジョン・ポートマンについて
ディズニーランドのような非日常的な空間作りの例として、建築家のジョン・ポートマンが取り上げられています。
ちなみに、彼の作品はアトランタの「ハイアット・リージェンシー」など、巨大なスケールの設計が特徴的。
ディズニーとポートマンの空間構成について比較しながら、新しい空間作りの発想について論じています。
一方で、東京ディズニーランドに直接的に関わる記述は少なめな印象です。
魔法の王国 日本に誕生
ワールド・バザールについて
東京ディズニーランドのワールド・バザールについて、詳しく記述されています。
ワールド・バザールとは、延床面積約1万7千平方メートルを持つ商業飲食施設のコンプレックスであって、4つのブロックの建物から構成され、されらの建物を結び合わせる中央の十字路とその十字路の上部にかけられた巨大な屋根(オール・ウェザー・キャノピー)を持っている。形態としては、前に記したように、イタリア、ミラノのガレリアの構成を起こさせるものである。(p,55)
屋根の名前は、”オール・ウェザー・カバー”と呼ばれることもあるが、どっちが正式名称なんでしょうか?
また、センターストリート・コーヒーハウス方面に出た壁面には、太陽をモチーフにしたと思われる装飾があります。
ヴィクトリア時代後期、20世紀初頭に展開した独特の装飾的モチーフによるアール・ヌーボーの様式による壁面装飾(p,61)
だと言います。ちなみに、サウスサイド・ハバダッシュリー(現在のトイ・ステーション)は、アール・デコ風の内装が施されている。
これは、ワールド・バザールからトゥモローランドに行くにつれて、時代の流れを表しているんだとか!?
ちなみに、この本にはワールドバザールが屋内になった経緯が書かれてましたよ!
シンデレラ城について
東京ディズニーランドのシンデレラ城は、フロリダにあるものと同じだといいます。しかし、カリフォルニアのものとは異なります。
カリフォルニアのシンデレラ城は、アルカサル城(スペイン・セゴビア)をデザインのルーツにしていると言ってます。
また、東京ディズニーランドのシンデレラ城内部に関する興味深い記述もあった。
フロリダのシンデレラ城には、2階にレストランが設けられている。東京においても当初はその計画があったが、食材等の搬入搬出のルートとしての地下トンネルの確保が種々の条件から困難となり、レストランの設置を断念したが、他のアトラクションの新設による城内部スペースの有効利用が検討されつつある。(p,71,72)このアトラクションとは、1986年にオープンした「シンデレラ城ミステリーツアー」のことだろう。
現在は、閉鎖されて「シンデレラのフェアリーテイル・ホール」となっていますね!
魔法の国のエンジニアリング
複合工事について
東京ディズニーランドの建設工事は、第1レベルが、「施設建築工事」、「園内諸施設・土木工事」、「サービス/ユーティリティー工事」、「ショー/ライド工事」そして、「関連外部工事」の5つの工事分野に区分された。(p,98,99)中でも「ショー/ライド工事(アトラクション工事)」が全体の30%という大きな比重を占めていたらしいです。
ジャングルクルーズについて
当初から植栽について心配していたと言います。12月中頃から3月中旬まではジャングルとしての責任は持てないと発言するほど。
また、幾度とアトラクションの建設を止めようとしたり、ジャングル全体に屋根を架ける案もあったのだとか。しかし、担当の植栽グループは下記のようにして解決したらしいです。
耐寒性のある常緑樹を選び、それにヤシ類や竹類をとりまぜて、熱帯のジャングルという雰囲気を出すことに最大限の努力を払った。その当時、ディズニー側から、ジャングルの中にガス・バーナーを設置して、冬季はその周辺の空気を温めるという案が勧められた。(中略)ガスヒーターが必要とされた時には設置できるように、あらかじめ配管をジャングルの川を渡して準備(p,105)
ジャングルクルーズにこんな歴史があったなんて、全く知らなかったです。
ジャングルクルーズは、現在「ジャングルクルーズ:ワイルドライフ・エクスペディション」としてリニューアルされています。
現在もその配管が残っているのかは謎です。30年以上経っているので、おそらく無いであろうが・・・
テーマパークから総合リゾートへ
ウォルト・ディズニー・ワールドと東京ディズニーランド
フロリダにあるウォルト・ディズニー・ワールドのマジックキングダムと東京ディズニーランドの地下空間について書かれていました!
マジックキングダムの地下には、”ユーティリドール(Utilidors)”と呼ばれる各種ユーティリティ配管のネットワークが巨大な共同溝となって構築され、同時に種々の従業員用施設、業務施設もあり、また、地下コリドーるを利用して、食品、商品、各種資材の搬入、搬出が専用の電気自動車で行なわれている。
(中略)
東京ディズニーランドにも、テーマパークの下には、同様の地下トンネルがあるが、WDWにおけるものに比して、規模的に小さい。東京にあっては埋立て地という固有の地盤条件があり、コスト問題もあって、残念ながら当初の計画よりも大幅に地下構造物を縮小せざるをえなかった(p,156,157)
非常に興味深い内容ですね!
資金にもっと余裕があれば、東京ディズニーランドの地下も、もっと張り巡らされていたかもしれないです。。。
ちなみに、この本にもパークの地下のことが書かれてました!
コミュニティと情報の新時代
ラス・コリーナスについて
アメリカのテキサス州にあるラス・コリーナスについて書かれています。
画期的なコミュニティ開発として紹介されていますが、東京ディズニーランドのことは書かれていません!
ぼくのオススメの買い方!
ぼくのオススメの買い方は「1,500円以上のお買い上げで送料無料!通販ショップの駿河屋」です!知る人ぞ知る中古品の通販サイトなのですが、駿河屋で扱っている商品は、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングでも検索できない場合が多いです。
ディズニー関連の本やCD、DVDもなぜか破格で出品されていることが多いです。ぼくもお世話になっています!!
在庫は激しく変動するので、タイミングが合えば、破格に出会えるかもしれません。
まとめ
東京ディズニーランドの建設に関わった立場として、建築的な視点からの書かれている珍しい本の紹介でした。筆者の思想も多く書かれており、テーマパークだけではなく、リゾート・コミュニティ開発に関する記述も豊富な気がしました。
他にも読んでみたので、ぜひ参考にしてください!
出版年も古いためか、こんなこと公開しちゃっても大丈夫なの!?という情報が多く見られる非常にレアな資料でした。
東京ディズニーランドが大好きで、その秘密を探りたい人は是非読むべき本だと思いました。ご参考に!
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